研究内容

2020/01/15

睡眠研究

人生の3分の1もの時間を過ごす睡眠は、生存に必須の本能行動のひとつです。我々、哺乳類の睡眠ステージは、レム(急速眼球運動)睡眠とノンレム睡眠から構成されており、それぞれ全く異なる脳活動を呈しています。我々が夢を見るのはレム睡眠中です。こんなにも我々の生活に密接に関わる睡眠ですが、現在のところ、何のために眠るのか?何故夢を見るのか?といった根本的な問いに正確に答えることは出来ず、睡眠の「機能」は、脳科学最大の謎のひとつになっています。特にレム睡眠の機能は、ほとんど分かっていません。当研究室では、レム睡眠の機能を解明することを最終的な研究目的に掲げ、マウスを用いて睡眠覚醒制御機構の解明を行っています。


グリア細胞

本研究室では、グリア細胞にも着目して研究を行っています。我々の脳は、神経細胞とグリア細胞から構成されています。脳の半分以上を占めているのがこのグリア細胞です。グリア細胞は、アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリアの3種類に大別され、それぞれ重要な役割を担っていることがこれまでに明らかになっています。また、進化にともない、神経細胞に対するグリア細胞の割合が高くなっていることが報告されており、高次脳機能におけるグリア細胞の関与が示唆されています。本研究室では、グリア細胞に注目して研究を行っており、睡眠におけるグリア細胞の関与についても明らかにしたいと考えています。


オプトジェネティクス;活動操作

オプトジェネティクス(光遺伝学)とは、光をあてることによって活性化されるタンパク質分子を遺伝学的手法を用いて特定の細胞だけに発現させ、その活動を光で操作する技術です。オプトジェネティクスの開発により、細胞活動と行動の関係を直接繋げることが可能となりました。本研究室では、オプトジェネティクスを用いて特定細胞の活動と、マウスの睡眠覚醒状態との関連を調べています。


光計測;活動計測

イオン濃度などの細胞内の生理的環境は、時々刻々とダイナミックに変化しています。イオン濃度の変化に応じて蛍光強度の変化するタンパク質を特定の細胞に発現させることにより、特定の細胞の活動を光で計測する手法があります。本研究室では、マウスの睡眠覚醒状態に応じた、細胞内イオン濃度変化の光計測も行なっています。


大規模細胞外記録;神経活動計測

細胞外記録とは、神経細胞の電気的変化(活動電位)を調べる方法です。一本に32チャンネルもの記録電極を搭載したシリコンプローブを用いると、一度に数十個もの神経活動を記録することが可能となります。本研究室では、マウスの睡眠覚醒状態に応じた、神経活動の大規模細胞外記録も行なっています。